◆報告◆ 「オンナの本音 オトコの本音」第1回

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「オンナの本音 オトコの本音」第1回(5/28)は23名の方が受講されました。当日の内容をお知らせします。

第1回 はじめに ~日常に潜むジェンダー~  講師:山口大学経済学部教授 鍋山祥子さん

人には個人の体験の中から作り上げられた「~べき」像があります。それが社会制度や法の中で他者とどうぶつかり、どう表れるかというところに、尽きない問題があります。「男らしさ」「女らしさ」というものはあらゆるところに存在し、例えば子どもの服や持ち物の色、進路選択などにおいて隠れたプログラムとして社会に潜んでいるのです。さて、では次の3つの疑問を一緒に考えてみましょう。

疑問1 「女に生まれたから女らしくて当たり前?」
そもそも性別にはSexとGenderの2つの異なる分け方があります。Sexは染色体の違い、すなわち身体的性差で分けた性別です。Genderは文化的・社会的性差で、親のしつけや周囲のまなざし、マスコミ等に影響を受けてその時々で変化するものです。「らしさ」はGenderによって生じるもので、思いこみであったり根拠のないものだといえます。

疑問2「女の方が育児や介護が得意なのは当たり前?」
女性には他人への共感ややさしさといった「女らしさ」があるから、育児や介護などのケア労働に向いているとよく言われます。しかし実際は、男性は「女らしさ」に代表される能力(例:人のケア)、女性は「男らしさ」に代表される能力(例:仕事における交渉)を育てられてこなかっただけなのです。しかし、少子高齢化が進み、もう「男は仕事、女はケア」という性別役割分業のままでは社会はまわらなくなってきています。そこで、男も女も仕事とケアができるように働き方改革(ワークライフバランス)の必要性が言われるようになりました。諸外国をみると、北欧では仕事もケアも保障されるべき「権利」とされており、アメリカではダイバーシティ・マネジメントの面から、ワークライフバランスが企業の利益や生産性を上げるとして進められています。

疑問3「当り前なのにどうしてツライんだろう?」
従来どおりの男女の生き方をしていると、どんなことが起こるでしょうか。「男は仕事」という生き方からは、長時間労働、自由の喪失、ケア能力の低下、地域社会からの浮遊が起こります。また、「女はケア」という生き方では、貧困、職業能力の低下、社会的影響力の剥奪、自立の阻害が起こってきます。男性が自分のケアさえできず、女性が経済的に貧困状態に陥りやすいのはその弊害なのです。一人ひとりが経済的・精神的・ケア的な自立ができる生き方ができなくてはなりません。

講義の後のフリートークでは、日頃「女性として」「男性として」感じるいろいろな疑問や不満、雑感が出されました。できるだけ受講生の興味にダイレクトに応えられる講座にしていきます。今後も乞うご期待!
次回は6/18(土)「憲法にみる男女」です。どうぞお気軽にご参加ください。

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