◆報告◆ 「オンナの本音 オトコの本音」第2回

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「オンナの本音 オトコの本音」第2回(6/18)は18名の方が受講されました。当日の内容をお知らせします。

第2回 憲法にみる男女  講師:山口大学教育学部准教授 松原幸恵さん

◆はじめに:憲法と立憲主義
憲法は国の基本法にして最高の法であり、国家の統治組織や国民の基本的人権を定めています。では憲法が何のためにあるかといえば、「国家権力に縛りをかけてその暴走を防ぐ」ためであり、それが実際にできるかどうかは、憲法の中身次第です。
「立憲主義」は、人権保障を「目的」とし、それを実現する「手段」として国家権力を位置づけています。

◆ジェンダーと法
ジェンダー(社会的・文化的に作られた性差)によって、女性、男性で様々な格差が生じています。「男は仕事、女は家事」という「固定的性別役割分業主義」が、男女の平等な社会参画を阻害する要因になっているのです。日本では特に政治的分野、高等教育分野における男女格差が大きく、国際的な比較でもそれが明らかです(例:ジェンダーギャップ指数101位/145国)。
1979年国連採択の女性差別撤廃条約には、女性差別が「社会及び家族の繁栄の増進を阻害するもの」であり、男女の完全な平等の達成には固定的性別役割分業主義を変える必要があるとうたわれています。日本も1985年にこの条約を批准し、諸外国と肩を並べようと、男女雇用機会均等法をはじめとして国内法の整備や改正に取り組みました。

◆ジェンダーと日本国憲法
では日本国憲法のなかのジェンダーに関連する条項をみていきましょう。

A.法の下の平等(差別の禁止)(14条)
14条で述べられている平等を実現するためには、同じスタートラインに立てない社会的・経済的弱者に、暫定的により厚い保護を与えて結果の平等を保障しバランスをとること(ポジティブ・アクション)が、男女共同参画社会基本法や女性差別撤廃条約に認められています。
男女雇用機会均等法も改正とともに実効性が強化され、2015年には女性活躍推進法も制定されました。しかし、ジェンダーによる差別の根底には、家庭における役割分担の問題があるのです。

B.家族条項(24条)と個人の尊重(13条)
24条と13条はライフスタイルの多様性に関わる条項だといえます。女性差別撤廃条約でも、夫にも妻にも姓や職業を選択する権利があるとされています。ですが、苗字が同じであることに家族の一体性やあるべき姿が存在するという考え方は根強く、選択的夫婦別姓制度は未だ導入に至っていません。他方、女性の再婚禁止期間と非嫡出子相続差別については2年前に違憲判決が出て、見直しがなされました。
個人の尊重、つまり「一人ひとりに存在意義がある」というのは、自分のみでなく相手をも尊重するということなのです。

C.平和と人権の不可分一体性
憲法前文、そして女性差別撤廃条約前文で述べられているように、平和と人権は密接に関わっており、切り離せないものです。ところが昨今では、平和が安全保障分野と結びつけられることが多いために、一般国民に口出しできない遠いものになってしまっているのは憂うべきところです。

◆むすびにかえて:憲法の価値を再確認することの意義
個々の法律があれば憲法はいらないのではないかというのは間違いで、憲法が全てのベースにあるのです。憲法が変われば法律も変わります。憲法の価値をいま一度確認すべきです。

次回は7/16(土)「メディアにみる男女」です。どうぞお気軽にご参加ください。

講座の様子です

講師の松原先生

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